日本環境教育学会関西支部第9回研究大会<速報>

日 時:12月9日(土)午前9時30分から午後8時まで

会 場:京都精華大学 黎明館

※関連イベントとして、11月11日(土)にはプレシンポジウムを京都精華大学で開催し、研究大会翌日の12月10日(日)には京都の自然と文化を訪ねるエクスカーションをあわせて実施。また、大会前日の12月8日(金)には、ジョイント・イベントとして「越後奥三面」の講演会・上映会が京都精華大学で開催。

全体テーマ:「社会的公正と自然環境の持続への主体的かかわり
              ― 21世紀にむけた環境教育の課題をめぐって」

テーマの主旨:
 日本の環境教育は四半世紀余りにわたって学校や学校外においてさまざまなかたちで展開され、その研究や実践は今も蓄積されつつある。近年、環境教育は「持続可能性のための教育」とも言い表される傾向があり、例えば昨年12月中央環境審議会が出した答申にもそれを見て取ることができる。
 私たち人類は持続可能性という概念の重要性とその早期実現の不可避について北と南のちがいを超えて一応の共通理解はできたものの、その内容や方策の具体レベルにまでは依然合意を見るに至っていない。
 究極的に言えば、環境教育は広く多数の人々が人や自然とのより望ましい関わりのなかで、自己のより豊かな存在を主体的に実現できるようになることをめざすものである。望ましい「人と人との関わり」のあり方とは「人間社会の公正」を意味し、また「人と自然との関わり」のあるべき姿とはすなわち「生物としてのヒトにとっての自然環境の回復と維持」である。
 環境教育の実践や研究がこれらの達成に向けたある一定の役割を付与され、また期待されていることは間違いない。
 今回の関西支部第9回研究大会の開催にあたり、以上の主旨に基づいて「社会的公正」「自然環境の持続」「主体的なかかわり」の3つをキーワードに定め、その全体テーマを「社会的公正と自然環境の持続への主体的かかわり ― 21世紀にむけた環境教育の課題をめぐって」と設定した。


プ ロ グ ラ ム

9:30  受付開始

10:00〜12:00 一般研究報告(3教室×8報告、各15分)

12:00〜12:45 昼食休憩(キャンパス内に学食、カフェテリア「悠々館」)
12:45〜14:15 サテライト・シンポジウム(3企画、各90分)ほか2企画

14:30 全体会開会
14:35 支部長挨拶 谷口文章氏(甲南大学教授)

14:45 特別講演 中尾ハジメ氏(京都精華大学学長)
    演 題 「社会の公正と市民活動 ― 環境ジャーナリズムを通して見えること ― 」

15:35 休憩
15:45 メイン・シンポジウム
    テーマ 「社会的公正と自然環境の持続性に向けた環境教育の展開をめざして」
     シンポジスト
       池田直樹氏(大阪弁護士会)
       塩川哲雄氏(大阪府立北千里高等学校)
       柳楽 忍 氏(猪名川の自然と文化を守る会)
       山口洋典氏(大学コンソーシアム京都)
     コーディネータ
        戸田耿介氏(兵庫県立人と自然の博物館)
        原田智代氏(せいわエコクラブ)

17:45 実行委員長総括 槌田 劭 氏(京都精華大学教授)

18:00 閉会
18:15〜20:00 懇親会


一般研究報告(10:00〜12:00、1件15分)

★A会場★

10:00〜10:15 伴 季子 「総合的な学習の時間における環境学習 Ver.2(評価)」
10:15〜10:30 岸本清明(東条町立東条東小学校)「東条川を軸とした環境学習(総合学習)の一展開」
10:30〜10:45 黒田愛子(吹田市立吹田東小学校(吹田市環境教育研究会))「吹田市幼小中学校でのヤゴ救出作戦」
10:45〜11:00 田中百合子、富樫和広 ほか(NTT生活環境研究所,NTT東日本岩手支店)
           「インターネットを利用した岩手県下小中学校・養護学校による桜前線調査」
11:00〜11:15 高畠耕一郎(吹田市立山田中学校)「学校と市民で取り組んだタンポポ調査」
11:15〜11:30 大澤浩子、佐藤和子(地域の親)「中学3年選択授業における地域市民による環境問題講座の取り組み」
11:30〜11:45 井上晴貴(大阪市立阿倍野中学校)、藤岡達也(大阪府教育センター)
           「環境教育の素材としての『井戸と地下水』について ― 大阪市内の中学生の実践を例に ― 」
11:45〜12:00 重藤英一(門真市立第二中学校)
           「『エアロゾル(煤塵)』を素材とした環境教育の展開 ― 1999年・2中学校合同大気環境調査結果 ― 」
★B会場★

10:00〜10:15 西野 敦(吹田自然観察会)「紫金山メダカの田んぼの1年」
10:15〜10:30 塩田敏治(紫金山みどりの会)「市民による吹田紫金山都市林の創造」
10:30〜10:45 原美智枝(西山田ヒメボタルの会)「吹田ヒメボタル市民調査の3年」
10:45〜11:00 横山正和(ビオトープ山の谷)「地域の子どもと大人で作ったビオトープ池」
11:00〜11:15 秋山こずえ(すいた市民環境会議)「地区公民館で市民による連続環境講座」
11:15〜11:30 増田貴志(兵庫県立淡路景観園芸学校)「里山自然教室の実施と課題」
11:30〜11:45 中島洋吉(神戸市シルバーカレッジ社会還元センター)
           「生涯学習施設学生の地域環境調査 ― 冊子「福田川の川辺を歩こう」作成まで ― 」
11:45〜12:00 田先崇志(兵庫県立香寺高等学校)「学校周辺の環境教材を児童・生徒に生かす」

★C会場★

10:00〜10:15 山野高宏(京都精華大学)「京都精華大学の環境マネジメント・システム」
10:15〜10:30 原口博之(甲南大学研究生)「地球的視野を育むための環境教育 ― ブラジル国際交流を通じて ― 」
10:30〜10:45 椋代惟親(大阪音楽大学)「感性を養うライフスタイル ― 環境教育の基盤をめぐって ― 」
10:45〜11:00 福島 古(環境戦略解析機構)「環境文化圏と日本の進路」
11:00〜11:15 藤岡達也(大阪府教育センター)、木内 功(大阪府立総合青少年野外活動センター)
           「環境学習プログラムにおける野外学習について ― 大阪府立総合青少年野外活動センター
           近辺の地質,地形を中心に ― 」
11:15〜11:30 山本勝博(大阪府教育センター)「環境ホルモン(外因性内分泌かく乱化学物質)についての一考察」
11:30〜11:45 中井精一、山本勝博(大阪府教育センター)
           「箕面川の水質調査による環境教育教材の開発 ― 生物学的水質階級とCODとの関連 ― 」
11:45〜12:00 奥村 浩(共立理化学研究所)「新しい水質簡易測定の特徴と用途」


サテライト・シンポジウム(12:45〜14:15)

A会場 「持続可能性に向けての教育」代表者:今村光章(持続可能性に向けての教育研究会、仁愛女子短期大学)
B会場 「学校ビオトープと教育NPO」 代表者:赤尾整志(グローバル環境文化研究所)
C会場 「宗教的視点からの自然環境観の考察」 代表者:佐藤孝則(天理大学)


自 主 企 画

D会場 「紹介 ― 総合学習教材『地球温暖化』」(13:00-14:15)
      報告者:藤本雅巳(大阪国際滝井高等学校、地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA))
E会場 「環境マネジメントを考える ― ISO14001キャンパス・ツアー」(13:00-14:15)
      代表者:丸谷一耕(木野環境、京都精華大学)
F会場 「展示発表 ― 地域と連携した竹炭焼きの取り組み」(9:30-16:00)
      代表者:塩川哲雄 (大阪府立北千里高等学校)
F会場 「展示販売 ― 小・中学校向け、環境教育教材『自然と環境のファイル』」(9:30-16:00)
      代表者:渡辺 敦(かながわ環境教育研究会)
F会場 「展示販売 ― 講座『環境と人間』全12巻シリーズなど」(9:30-16:00)
      代表者:藤本かおる(昭和堂)
F会場 「展示販売 ― 総合学習教材『地球温暖化』」 (9:30-16:00)
      代表者:早川光俊(地球環境と大気汚染を考える全国市民会議(CASA))
F会場 「展示販売 ― 環境社会学科の本」(9:30-16:00)
      代表者:山田国広(京都精華大学)


エクスカーション

12月10日(日) 10:00〜15:00 京都市北区深泥池周辺、および中京区新町錦周辺

 1)前半 深泥池周辺の自然観察(10:00〜12:00) 午前10時に地下鉄北山駅集合
 京都の古環境を知る手がかりともなってきた深泥池周辺の自然観察を通して、
     都市における自然との付き合い方について考えます。

 2)後半 新町錦周辺の町家見学(13:30〜15:00) 午後1時20分に地下鉄烏丸駅集合
 今日に至るも保存・使用されている京都の伝統的な住居様式である「町家」の見学を通して、
     町家と環境、生活や文化とのかかわりを考えます。(見学予定:吉田邸(無名舎)、百足屋、くろちく)


プレシンポジウム第86回ワークショップ

11月11日(土)13:30〜15:30 京都精華大学(流渓館2階会議室)
テーマ:「『京都環境教育エコロジーセンター』構想をめぐって」 
講師:宇高史昭さん(京都市役所地球環境政策課)、癘{育生さん(環境市民チーフ・コーディネーター)


ジョイント・イベント:「越後奥三面」京都上映会

12月8日(金)16:30〜20:30 京都精華大学(黎明館201教室)
講 師:姫田忠義 民族文化映像研究所 所長
映 画:「越後奥三面 ― 山に生かされた日々」
主 催:「奥三面から学ぶ」実行委員会
問い合わせ:E-mail tsunezumi@ma2.justnet.ne.jp(常住(つねずみ)まで)

 


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